突撃!目利きインタビュー!!

今年のシブカル祭。で全力女子たちを応援してくれる
“目利き”の皆さんにスペシャルインタビュー!
あんな人からこんな人まで、目利きから読み解くシブカル祭。2013!!!

第10回 直井卓俊さん/企画・配給プロデューサー

13 10.28 UP

プロフィール

1976年生まれ。法政大学卒。映画配給会社アップリンクを経て、SPOTTED PRODUCTIONS名義(現在は法人化)で配給・宣伝などを手がける。配給作品に『フラッシュバックメモリーズ3D』(松江哲明監督)『SR サイタマノラッパー』シリーズ(入江悠監督)企画・プロデュース作品に『劇場版 神聖かまってちゃん』『MOOSIC LAB』などがある。 2014年1月にはBiS主演の『アイドル・イズ・デッド-ノンちゃんのプロパガンダ大戦争-』(監督:加藤行宏)が公開。

Q1
今年で3回目の開催となったシブカル祭。ですが、ご存知でしたか?
A1
昨年、ちょうど秦さんとN’夙川BOYSの映画を制作していた頃に、渋谷でポスターを見かけて。「あ、(シブカル祭に)夙川出るんだー」と思ったのを覚えています。実際に彼らの店頭ライブも見て、音が下げられちゃった中で頑張ってたのがとても印象に残っています。直接の接点はそれくらいしかなかったんですが、二階堂ふみとかバンドじゃないもん!とか、仕事で関わった人たちがいっぱい出ていて、そのときから何か関われたらいいなとは思っていました。今年は山戸結希や大森靖子らが一際光っていると感じていたので、いいタイミングで声をかけていただきました。
Q2
実際に映画祭を企画していただきましたが、シブカル祭。にどんな印象をお持ちになりました?
A2
企画している側の人たちも、僕とかじゃなくて女子ばっかりだったらまた違いすごみが出て面白いかなと思います。例えば、映画祭も参加クリエイターの女の子セレクションをやってもいいですよね。でも全体の印象としては、アート、ファッションなど扱っているジャンルが幅広いので、正直まだ全体を掴みきれていません(笑)
Q3
今回映画祭。に推薦下さった大森さん、秦さん、山戸さんについて教えて頂けますか?
A3
秦さんは僕が以前下北沢映画祭の審査員をしたときに、グランプリを穫ってて。その後、N’夙川BOYSサイドと何か映画で絡めないかという話があったので、僕から双方にお願いして手掛けてもらうことにしました。秦さんは海外でも賞をたくさん取ってる実力派アニメーション作家で、大森さんは2年前に僕が携わった映画作品をきっかけにして出会ったのですが、ポップで尖っててバイタリティーが尋常じゃない女の子で、もう既にブレイクしてきていますけど、常に成長している過程にあるようなワクワクするアーティストなので、ぜひこのタイミングでシブカル祭。に紹介したいと思いました。山戸さんはここ数年で久々に心を揺さぶられた奇才で、今回の『おとぎ話みたい』はもう女性クリエイターの祭典どころか男女混合ワールドカップに出すべき破壊力を持った音楽映画であり青春映画ですのでご期待ください!
Q4
お話を伺っていると映画や音楽への愛をすごく感じるのですが、直井さんのルーツとは?
A4
僕は元々、大学で音楽サークルにいたのですが、「まんだらけ」でバイトしていたこともあって、アニメや漫画などにどっぷり浸った生活を送っていました。
一度、漫画の買い付けや発掘の道を究めようとも思ったのですが、倉庫勤務で孤独死しそうな状態がヤバくて辞めて(笑)その後たまたま受けたアップリンクの面接で落ちたのですが、受かった人が1日で辞めちゃったので(笑)、繰り上げで次の日から務めることになりました。
そこではDVDの営業マンをやってました。厳しい職場なので周りがどんどん辞めていって、気づいたら4年半続けている自分が結構偉いポジションになっていて。すごく鍛えられたと今でも思うのですが、月毎にDVDをノルマ的にリリースしていくのがだんだん苦痛になってきて「きちんと一本ずつ映画の成り立ちから関わりたい」と思い独立したんです。
フリープロデューサーが集まった会社に1年半籍を置いて、何もわからないまま初めて『童貞。をプロデュース』の配給を担当しました。この作品で松江哲明監督と出会うのですが、その次の松江作品『あんにょん由美香』の音楽を、豊田道倫さん、川本真琴さん、あらかじめ決められた恋人たちへの池永さんが手がけた事きっかけで、映画音楽の大切さを実感したんです。
それがいつしか、今回の一連の音楽×映画プロジェクト『MOOSIC LAB』へと繋がっていくわけですね。
Q5
シブカル祭。を始めとした、今の日本の女子カルチャーに対してどのような見解をお持ちですか?
A5
この1年は言い方が安易なのを覚悟して言うと、女の子の時代がきている感覚があります。
震災の後、ニートという言葉が消えて、それより今は働けっていう時代。たまたまなのか自然の摂理なのか、生命力が強い女の人が、だんだん目立ってきているような…いや、たまたまなんでしょうけどね。どうしても今回取り上げた山戸さんを女性映画監督、大森さんを女性ミュージシャンとして「女性が頑張ってるよね」とまだ言いがちになっちゃうんですよね。
結局は表舞台でも裏舞台でも男性が多い世の中であるわけですが、2人を見てるともはや男女とか関係なく素晴らしいステージへと登り詰めて行く予感がしてワクワクしています。

Q6
将来クリエイターとしての活躍を夢見る、全力女子に対してメッセージなどありましたら、お願いします。
A6
好きなことを続けるのが実は一番大変。僕もたまに「好きなことばっかりできていいですね」って言われるんですけど、楽しい反面、好きなことだから手を抜けないし、良い結果が出ないと気が済まない。一回やって駄目でも終わりじゃないし、一回よくて次が駄目でも投げ出しちゃいけない。
そして売れている人は何が違うんだろうと学んでいくことも大事。今回僕が選出したアーティストたちもすごく勉強家・努力家だと思います。あとやっぱりバイタリティーは必要ですね。何事も本気でやるんだったら休む暇なんてないですから。
それと、自分の駄目なところと良いところを客観的に見て、次にどうつなげるか。当たり前だけど、やっぱりそこが大切ですよね。